[涅他] 283話 水月 (文字)

看板kekkai作者 (6番目の駅)時間14年前 (2009/11/07 23:53), 編輯推噓15(15010)
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「今夜は こちらの寺に泊まっていただきます 用意した隠れ家へは明日の朝早くご案内しますので 何が起ころうと皆様は私ども夜行が責任持って護衛いたします ご心配なく」 寺の前で記録係の一行に説明する正守 (行列を作っている記録係の中には断頭島の時の彩覚もいる) 説明を続ける正守 「と 言われても不安は拭えませんよね?  お休みの前に 一人一人面談を行います  何かあれば そこで吐き出していただけると助かります」 283話 水月 寺の影で様子を見ている細波 『ざっと20人… この全員… しかも記録係の頭の中を浚うとなると大仕事だぞ…  頭領も相変わらず無茶言いやが…』 心でぼやいている途中に後ろに人の気配を感じる細波「誰だ」 「さすが敏感でいらっしゃる」 現われたのは奥久尼の部下の服装をしている人物 『奥久尼の部下… 声からすると女…』 「はーん… 頭領の言ってた助っ人ってあんたか 信用していいんだろうな」 フ…と笑う相手「同業者相手にこの手のやり取り 不毛では? 手っ取り早く 私の使ってる形御見せしましょう」 女性が手を上げると 指先から15センチ程度の黒い小魚群の幻影が現われる 『この感じは…』「お前…まさか精神支配系…」 「ええ 攻撃力は弱いですけど」 小魚は細波の頬の脇を通ってゆく ヌルリとした感触が細波の頬に感じられる 「今ので悪意の無いこと 伝わったでしょう? 真相解明は 我が主人の遺志 協力は惜しみません」 かぶりものの白い布を上げる女性 黒いショートカットの利発そうな20代女性が 現われる 「綺砂魚(きさな)と申します あなたの形との相性も良いはずですよ」 微妙に押されがちな気分になる細波 古寺の廊下を歩く記録係の一人の男 正守に呼び出されたと思われる 『面談とは一体…』「失礼しま…」 ふすまを開け、男が一室に入ろうとした途端 池であるかのように踏み入れた足に水の輪が広がる 普通の座敷には正守が普通に正座しているだけだが そこに至る空間には小魚が泳ぐ 叫ぶ男 「な なんだこれは!?」 「まあ落ち着いて これもあなたの…」 正守の言葉は男には届かない 絶叫する男 「うわあ!ああ… やはり、やはり罠か!!  守るなどといって集めておいて はじめから俺達を利用する気で…」 大騒ぎする男に結界をぶつけて気絶させる正守 座敷の後ろの襖があいて細波と綺砂魚が顔を出す 細「頭領 確か手荒なことせずに済ませたいって…」 正「一人目から騒がれても困る 大体 なんだ こいつ見えてるじゃないか」 綺「普通は見えないはずですけどね あ 目を改造してるから?」 細「精神系の力に抗う術までは持ってないだろうが 見えてしまうのは面倒だな」 正「気 失っても 記憶は読めるんだろ?」 細「いや でも 質問できた方がいいんですよ まるごと浚ったら 大海原で砂粒探すみたいな作業になっちまうし…」 綺「目隠しして尋問したらいいんじゃないですか?」 細「それ… 完全に脅してる形になるな」 正「俺に悪役になれと?」 綺「もう既に悪役ですよ あとで私が記憶操作しましょう 完全に消すのは無理ですが あれは夢だったかも  くらいの状態には出来ます」 細『えげつないことサラッと言いやがるな この女…』 綺「えげつないですか?」 細「読むなよ心を!」 正「しかしこの男… 今の怯え方 異様だったぞ 大丈夫か?」 細「ああ ちらっと読んだ所だと そいつ 自分の持つ情報が漏れることに 強い恐怖感を持ってますね どうも誰かに 脅しまがいの命令を受けているような…」   時間が幾許か経過する ぼやく細波「次でやっと五人目… 嘘だろ… 俺もう限界近いぞ」 ガッツポーズで励ます綺砂魚「頑張りましょう」 「失礼します」そこに入って来た五人目は彩覚 座敷には別に男二人が控えており、目隠しと縄を持って彩覚に近づく 正「申し訳ないが 体の拘束と目隠しをお願いする」 静かに答える彩覚 「いえ 結構 大体の状況は理解しています」 どかっと座敷に座る 彩「あなたも生き残るためにやっているのでしょう? 本気で私たちの安全を保証してくれるのなら できるだけの協力をします つまるところ 私たちの主のことが知りたいのでは?」 正『主…?』 彩「裏会検察室職員 炎上寺彩覚 先祖代々記録係のお役目についております 知ることは全てお話しましょう」 相手の顔を真顔で見返す正守 細「いやー 協力者が現われたのは助かりました」 正「でも結局記録係達(やつら) 自分の主の正体 よく分かってなかったな」 綺「できるだけ情報を与えないようにしてたんですよ 用心深い奴です」 正「…… それで… 記録係達の主が夢路というのは 間違いないのか?」 綺「はい 記録係達が共通して持っている主の映像… 全て顔を隠してましたが… 使っている形(イメージ)は 夢路と同じもの… そもそも記録係が 目まで改造しているのは 映像を溜め込むためのようなん ですが そんなもの保存した所で 取り出せるのは精神系の異能者だけですからね やはり記録係は 夢路が裏会を監視し 支配するために置いたお役目なんですよ」 正「総帥の影はまったく無いのか?」 細「総帥はあまり政治に興味がなかったのかも… でも 水月という女性には当たりがつきました 主の男の傍に 常に控えていた女性がいるんですが… あれは おそらく水月…」 正「水月は 夢路の部下… で どこの部署の記録係だ?」 細「さあ…」 綺「あのー 細波さん 夢路が記録係達にしてたの 記録を読むことだけだったと思い ます?」 細「あ?」 綺「記録係達(かれら)は自覚無いようでしたけど 私も弱いですが  精神支配系なので 作用の観じで少し分かる部分がありまして 夢路はおそらく… 記録係達の記録を彼女に移していたんだと思います つまり水月さんは── 記録を全てまとめた 記録係達の親玉  もしくは母… のよう なものだったのではないかと」 細「総帥の部下の少年(氷浦のこと)を読んだ所じゃ その水月は今総帥の元にいる これは結局どういうこった?」 綺「さらってきたんでしょう 彼女の中には裏会の歴史が詰まってる訳ですし あと これは勘ですが── 総帥を別とすれば 彼女こそが 夢路のことを  一番良く知る人物だったのではないでしょうか」 竹林の館 「水月」総帥が呼ぶ 「はい 「頭を貸せ」 一瞬ひるむ水月 なおも暗く笑いながら手を伸ばす総帥 「お前の中のあいつを見せろ」 黒い海蛇が籠のように水月と総帥を取り囲む 「あ…」 「目を閉じるな せっかく見えるのだから 私がお前の中を探る様子を良く見ておけ」 しばらくのあと海蛇は消える 笑う総帥 「ク ククク… やはりお前ほどの復讐の糧は無い 憎悪が揺り戻ってきた さぁて 次は何をするかな」 墨村の家 完璧なチョコレートケーキを前に震える良守 「スゲエ… 何この出来…  美しい… 俺天才かもしれない…」 ケーキを頭上に掲げ、全力で廊下を走ってゆく 「氷浦──!!見ろよこのチョコレートケーキ…」 しかし飛び込んだ氷浦の伏しているはずの部屋には誰もいない 「あれ…?」 次号に続く -- 摘要: 正守在寺裡面某房間集合所有記錄者準備探查記憶. 細波和奧久尼原本的部下,一位叫綺砂魚的女生共同進行探查工作. 紀錄者當中斷頭島的炎上寺彩覺赫然在列,主動表示願意幫助正守們. 根據探查紀錄後所得到的資訊,紀錄者的上司是夢路. 安排紀錄者收集記錄是為了要對裏會實行支配,而水月扮演彙集所有記錄的關鍵角色. 另一方面,總帥藉由時常瀏覽水月儲存的紀錄來讓自己不忘記憎恨. 良守完成了自認最高傑作的巧克力蛋糕,想要秀給冰浦看, 卻發現冰浦失蹤了. -- 本週日依舊歡迎有空的翻譯官補位... -- ※ 編輯: dobioptt 來自: 114.38.48.107 (11/07 23:54)

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頭推!! 越來越刺激了!~
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推推
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我還以為翻譯官辭職了,看到這篇文實在太好了 (泣)
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推推 翻譯辛苦了
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推推推
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不懂他們在恨什麼東西....
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翻譯辛苦~
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冰浦表示:還是大姐姐好 (誤)
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有看有推~
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其實六樓的看法也難怪,因為前面作者忽然就把夢路給收掉了
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照理應該先解釋完兩個人的恩怨再賜死好像比較順...
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現在先收掉了一個,兩者的衝突和對手戲等張力來源就沒了XD
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最重要的衝突原因部份,大家也都還霧煞煞.....
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該不會田邊老師還在想吧...囧
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先交待再給便當太平常了,有點不一樣也好啊
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應該不是"還在想",這作者沒這麼爛吧?
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我心中隱隱覺得有個絕世好橋慢慢的要爆了,到時候可能跟
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拉布在等的海賊是布魯克一樣令人拍案叫絕呢!
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一輩子難得畫了本人氣作品,嘛,拖點檯錢不過分啊 XD
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田邊一直以來都想在平凡的設定上有所突破
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這次復仇劇的手法應該也是如此吧 可以期待的
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我還是覺得夢路沒死...
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樓上別再說了啊,我一直說服自己夢路領便當了,好讓自己
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下次被作者給嚇一跳>"<
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文章代碼(AID): #1AzPVTHg (kekkai)
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