セリフ
2046では、壮大なネットワークが地球上に広がっている。
妖しげな列車が2046に向かって時々出発して行く。
2046に行く全ての乗客の目的はただひとつ。
なくした記憶を見つけるため。
何故なら、2046では何も変わらないから。
それが本当か誰も知らない。
だって、今まで誰もあそこから帰って来たヤツはいないから。
俺一人を除いては。
もし誰かが2046から出ようとしたら、
どれぐらいの時間が掛かるんだろう。
簡単に出て行ける者もいる、
でも人によってはかなりの時間が掛かる。
もうどれぐらいこの列車に乗ってるのか忘れてしまった。
凄く寂しくなってきた。
どうして2046を出て来たのか。
聞かれる度に、曖昧の答えをしまう。
昔、誰にも知られたくない秘密を持った人は、
山に登り、木を見つけて、そこに穴を掘る。
その中に向かって秘密を囁いて、それから泥で蓋をする。
そうすれば、その秘密は永遠に誰にも知られることはない。
昔恋をしたことがある。
しばらくして彼女はいなくなった。
2046へ行ってみた。
もしかしたら、そこで彼女が待ってるんじゃないかと思った。
でも彼女を見つけることは出来なかった。
彼女が俺を愛していたのかどうか考えずにはいられない。
でもきっと答えなんてないのかも知れない。
彼女の答えは、知られることのない、秘密のようだった。
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