[劇情] 2003 韓国チーム--背景故事
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「何でアッシだけキング・オブ・ファイターズに参加できないんでヤンスか！」
「為什麼只有偶不能參加King・of・Fighters的勒？」
「そうだぜ！ 何で俺だけがジョンのダンナとキムのダンナのお供なんだよ！」
「就是嘛！ 為什麼只有我要去當全老師和金老師的跟班！」
甲高い声と野太い声が交互に響き渡った。キムのテコンドー道場で長年更正され続けて
いる二人の男、チョイ・ボンゲとチャン・コーハンは怒っていた。数年前はここから逃
げ出すことばかり考えていた二人が、随分殊勝になったものである。これも真心こもっ
たキムの更正が実を結んだ‧‧‧わけではない。
尖銳的聲音和粗野的聲音此起彼落。待在金甲喚的跆拳道道場，長年接受更生教育的兩個
男子崔盆革和張巨漢正在生氣。數年前只想著如何逃走的兩人，也成長了不少。這也是金
甲喚的真心誠意的更生教育開花結果‧‧‧才怪。
一人残されるチョイは、
獨獨被留下的崔這麼想
（留守中、家事一切を任された上、最近めっきりやんちゃになったキムのダンナの二人
のガキ‧‧‧もとい、お子様の子守りなんてまっぴら）
（看家時，不但要負責所有家事，還要照顧最近愈來愈亮眼的，金甲喚的兩個小鬼‧‧‧
是小朋友，討厭死了）
なのであり、チャンといえば、
另一邊張則這樣想
（犬猿の仲のダンナ二人の間に挟まれて、一人で右往左往なんてゴメンだぜ）
（要我夾在這兩個貌合神離的傢伙中間，一個人顧左顧右的，我才不要哩）
なのである。
就是這麼一回事。
「はっはっは。チョイのそのやる気だけでうれしいよ。しかし今回はジョンさんのたっ
ての頼みなんだ。我慢して留守番してくれたまえ」
「哈哈哈。崔有那副幹勁我很欣慰喔。不過這次是全先生的強烈要求。你就耐著性子看家
吧」
「しかしでヤンスね」
「可是的啦」
「し・て・く・れ・た・ま・え」
「留・著・看・家」
腕組みをしたキムの歯がキラリと光った。もう一言でも口答えすれば、更正という名の
鳳凰脚が炸裂することになるだろう。
金甲喚抱著雙手，牙齒閃閃發光。如果再多說一個字，大概就會有以更正為名的鳳凰腳飛
過來吧。
「‧‧‧わ、わかったでヤンス」
「‧‧‧偶、偶明白的啦」
「はっはっは。何事も誠意を持って話せばわかってもらえるものだな！」
「哈哈哈。不管什麼事，只要用誠意溝通一定能理解的嘛！」
「誠意で青アザ作られちゃたまらないでヤンス」
「偶可不想讓誠意製造瘀血的啦」
「まったくだぜ」
「說的沒錯」
蚊のなくような小声だったが、キムは聞き逃さなかった。
雖然是蚊子般的細聲，但金甲喚還是沒漏聽。
「何か言ったかね。二人とも」
「你們兩個，剛剛說了什麼啊」
「修行は楽しいぜ、って」
「我們說修行超快樂的」
「話してたんでヤンスよー」
「偶們就是在說這個的啦～」
チャンとチョイは、間髪入れずに答えた。満面の笑顔が哀しい。
張和崔毫不遲疑地回答。滿臉笑容看來反而悲哀。
「はっはっは。そうだろうそうだろう」
「哈哈哈。沒錯沒錯」
二人はキムをはばかって、小さく素早くため息をついた。かつて極悪人だったとは思え
ないつつましさであり、小心さである。今さらながら説明すると、大鉄球がトレードマ
ークのチャン・コーハンは怪力の脱獄囚。鉄の爪がチャーミングなチョイ・ボンゲが元
切り裂き魔。その二人を「正義の道に立ち戻らせるため」テコンドーを通じ更正させよ
うとして幾年月。いまだ更正終了に至らないのがキム。
兩人對金十分忌憚，迅速地輕輕嘆息了一下。以他們的謹慎來看，實在想像不到這兩人以前
是窮凶極惡的犯人。事到如今說明一下，張巨漢是以大鐵球為招牌的怪力逃獄犯。戴鐵爪
嬌小玲瓏的崔盆革，過去則是砍人狂。為了使這兩人「回歸正道」，而透過跆拳道進行更
正教育，已經不知過了多少歲月。到現在還沒結束更正教育的是金甲喚。
そしてそのキムと、あまり仲のよろしくないライバルがジョン・フーンである。
還有與金甲喚交情不太好的宿敵則是全勳。
そのジョンが言った。
全勳這樣說道。
「すまないねチョイ君。今回のＫＯＦだけは、どうしても参加しなければならないんだ
」
「不好意思啊崔君。這次的ＫＯＦ，我無論如何都想參加」
「しかしジョンさんがこれほど執着するとは‧‧‧一体どんな理由が？」
「能讓全先生執著成這樣‧‧‧到底是什麼理由呢？」
ジョン・フーンは端正な顎を引いて、目を閉じている。
全勳端正地縮了縮下巴，閉上眼睛。
（ふふふ、今回のＫＯＦは新ルールの導入で自由交代が可能とか）
（呵呵呵，這次的ＫＯＦ加入新規則，可以自由換人）
ジョンの目論見はこうである。
全勳的計劃是這樣的。
今までは３対３といってもそれぞれ個別の試合形式だったが、今回は自由交代制。つま
り、キムが追い詰められた場面で颯爽と自分が登場し、彼を救助した上、華麗に相手を
倒すことにより、自分とキムとの力量差を世界に周知させることができる、と。もちろ
ん建前は違う。
雖然到目前為止都是３對３，但曾有各種不同的形式，而這次則是自由替換制。也就是說
自己可以在金甲喚被打到無路可逃的時候，自己就可以英姿颯爽地出現救他，華麗地打倒
對手，更重要的是可以讓全世界知道自己和金甲喚的力量差距。當然，表面上不能這樣表
示。
「我が国から出場するのはどうやらキム君の１チームのみ。ということはこのチームの
編成は、何よりもベストメンバーでなければならないはず。そうですよね？」
「代表我國出場的，看來只有金君這一隊。也就是說這一隊，必須要由最強的隊員組成，
對吧？」
「まぁそれは確かに」
「的確是這麼一回事」
「チョイ君もここ数年で腕をあげたが、まだまだ私には及ばない。それはチャン君も同
様だが、彼は格闘スタイルがキム君とも私ともかけ離れていて、チームを組む上ではち
ょうどいいアクセントになります」
「崔君在這幾年實力當然也提升了，但是還不及我。這一點張君也一樣，不過他的格鬥型
態和我跟金君相差極遠，和我們一隊剛好是個亮點」
「ちょっと、チャンのダンナ」
「等一下，老張」
「なんだよチョイ」
「幹嘛老崔」
「今回のこの組み合わせですがね‧‧‧もしかしたらチャンスかもしれないでヤンスよ」
「這次這種組合‧‧‧搞不好是個好機會的喔」
「なんでチャンスなんだよ。あのダンナ二人の性格からして、今回いくら俺ががんばっ
たって、俺だけ自由の身ってことはありえねえぜ。もちろん、お前と同時に自由の身な
んてのは２００％ありえねえ」
「什麼機會啊。以那兩個人的性格來說，這次不管我怎麼努力，就算算我一個人的份，要
恢復自由身也是不可能的。當然，和你同時恢復自由身更是百分之兩百不可能」
「そこは頭の使いようでヤンス」
「這一點就要用腦子的啦」
チョイの目論見はこうである。世間はスポーツと涙と友情の三点セットに弱い。そこで
今回の大会終了時、そこにいないと思われていた自分が姿をあらわし、『実は気になっ
てずっと見守っていたでヤンス』などと泣かせるセリフを言う。それに合わせてチャン
の方でも演技してくれれば、根が単純なキムをだますことなど簡単だろう。
崔的計劃是這樣的。世人對運動、眼淚和友情三樣東西的抵抗力很弱。這次大會結束後，
大家都以為他不在那裡的時候，要是他突然現身，一邊說『其實偶很擔心你們，所以一直
默默守著你們的啦』這種會讓人哭的台詞。只要再加上老張的演技，要騙過徹頭徹尾單純
的金甲喚很簡單。
「そこでさりげなく更正終了をアピールするでヤンスよ」
「就這樣為了更正結束來場表演的啦」
「なるほどな、情に訴えて、さらにそれをＴＶが煽る‧‧‧それはいいかもだぜ」
「原來如此，訴諸溫情，再加上電視煽動‧‧‧那樣也許不錯喔」
「でヤンスよね？ 今度こそは自由の身になれそうでヤンス」
「對吧的啦？ 這次終於可以恢復自由之身的啦」
「そうと決まれば今度の大会では大暴れしねえとな」
「既然決定如此，這次的大會就得大幹一場啦」
キムは不安だった。今回のＫＯＦではチームワークが重要なポイントになるのは明白だ
。チャンとチョイであれば、既に気心が知れているが、ジョンとはどうにも馬が合わな
い。その隙を攻められたらあっという間に敗北が待っている。しかし‧‧‧
金甲喚很不安。這次的ＫＯＦ很明顯，最重要的是團隊合作。如果是張和崔的話，雖然早
就是老搭檔，但跟全勳卻總是不對盤。如果被敵人看出這個空隙而攻擊的話，只能等輸而
已。不過‧‧‧
キムの目論見はこうである。
金的計劃是這樣的。
確かにジョンを交えたチームでベストの力を発揮できるかと言われれば難しいだろう。
が、そこは最強のテコンドー使いである自分の頑張りで切り抜けられないものでもない
。ここは逆に交代制を利用して、『ジョンのピンチを自分が助け、恩を売る』ことで、
何かとやかましかったジョンの口を今後封じることができるのではないか。何せ衆目に
晒された場所で決定的な貸しを作ってしまえるのだから効果も倍増である。
的確，如果把全勳換進來，是不是可以發揮最大的力量也還很難說。不過，這個問題，也
可能由最強跆拳道高手的自己搞定。反而可以利用自由換人制度，『在全勳遇上危機時出
手救助，賣他個人情』，可以讓令自己不快的全勳今後閉嘴也說不定。而且在眾目睽睽之
下賣給他這個人情，效果會倍增。
しかしもちろん建前は異なる。
但是不能這樣表現出來。
「まぁ、ジョンさんがそこまでおっしゃるなら」
「那，既然全先生都這麼說了」
正義を前面に押し出したチームの割に、それぞれが腹に黒い考えを抱きすぎているよう
な気がしないでもないが、とにもかくにもメンバーの意思統一は成された（？）。
打著正義旗號的隊伍，成員卻各懷鬼胎，總而言之，全員意志統一了（？）。
「ダンナ、アッシも納得でヤンスよ。今回はチームを離れて、健闘を祈るでヤンス」
「老師，偶也可以接受的啦。這次偶就離開隊伍，為你們的戰鬥順利祈禱的啦」
「わかってくれたかチョイ」
「你終於了解啦，崔」
「もちろんでヤンス。離れててもアッシたちはチームでヤンスよ」
「當然的啦。就算偶不在，大家也還是一隊的啦」
「おお！ その考えこそ、長年の更正が実を結んできた証だな！」
「喔喔！ 就是那種想法，那是長年更生教育有了結果的證據！」
「俺もチョイの分まで頑張るぜ！」
「我也會連崔的份一起努力的！」
「チャン君も前向きな‧‧‧これは私も負けられませんね」
「張君也很積極呢‧‧‧那麼我也不能輸」
「表彰式には必ず顔を出すでヤンスから、忘れないでくださいでヤンスよ」
「頒獎典禮的時候偶一定也會到場，請不要忘記偶的啦」
「もちろんだとも。はっはっはっは」
「那當然。哈哈哈哈」
「はっはっはっはっはっは」
「哈哈哈哈哈哈」
四者四様の（割とダークな）思いを胸に秘め、彼らは何度目かのＫＯＦに赴く事とな
った。大会へのエントリーも（チャンの鉄球の輸送問題を除いて）ごくスムーズに行わ
れたらしい。
四個人的心中藏著四樣（相當程度黑暗的）情，他們參加ＫＯＦ也已經許多次了。登上
大會出場者名簿（扣除張的鐵球的運輸問題）一事似乎很順利地進行。
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