[劇情] 2003 アーデルハイド--背景故事

看板KOF作者 (半緣心死半緣淇)時間11年前 (2012/11/26 00:45), 編輯推噓7(706)
留言13則, 9人參與, 最新討論串1/1
http://you.lolipop.jp/s/kof/2003/adel.html 伝統ある東ヨーロッパの街並みに、その姿はよく似合った。白金の髪。白晳の肌。均整 の取れた体躯。そして深紅の瞳。所在なげに路面電車を待つ様子は、どこの貴公子かと いった趣である。 白金色的頭髮,白皙的膚質,還有深紅色的眼瞳。這樣均衡的軀體,實在是和這傳統的東 歐街道十分相襯。這位不知從何處來的貴公子,似乎正在等著有軌電車。 (‧‧‧迷った) (‧‧‧迷路了) 優雅な外見とはうらはらに、貴公子殿は初めての街で道に迷っていた。だがそれで焦る とか心細いとか、そういった感情は沸いてこない。逆に、見知らぬ街で迷子になったこ の状況を楽しんでいるようでもある。普段はこういう遊び心のある性格ではない。知ら ない街は、人の心を華やかせる。 在他優雅的外表之下,這位貴公子在初次造訪的城市迷路了。但是他並未因此而使得焦慮 或膽怯的情緒沸騰。相反的,他似乎也正享受在這未曾造訪過的城市迷路。平常他並沒有 這種玩心性格。陌生的街道使得人心華麗了起來。 「市街地に向かうのなら」 「你要去市區的話」 「え?」 「啊?」   隣の男が出し抜けに話しかけてきた。コートを着たその男の背は高く、肩幅は広く、胸 板には厚みがあり、揺ぎなく落ち着いていて‧‧‧そして隻眼だった。市街地に向かう のなら、そこの路面電車に乗ればいい。男は簡潔に要領よく説明してくれた。 身旁的男子突然說話了。這個穿著大衣的男子很高,肩膀很寬,胸膛也厚實,看上去十分 沉著‧‧‧而且是個獨眼人。要去市中心的話就搭那邊的有軌電車。這男子的說明簡單扼 要。 「この街は初めてかね」 「第一次來吧」 「そうです」 「是啊」 「だと思ったよ。ホテルは庁舎前だろう?」 「我是這樣想的。飯店是在市政廳前吧?」 「そのとおりです。でもなぜ?」 「如您所說。不過你怎麼知道?」 男はコートのポケットに手を入れたまま、貴公子殿に解説した。標識のポーランド語で はなく、英語の説明文を読んでいたこと。視線が前後左右の建物にさまよっていたこと 。身なりが良く、そこらの安宿に泊まりそうな雰囲気には見えなかったこと‧‧‧。 男子的手仍放在大衣的口袋中,一面向貴公子說明。先前他正在看的標識上的說明不是波 蘭文,而是英文。他的視線掃瞄著前後左右的建築物。他的外型很整潔,看來不像是住在 那邊的便宜旅館的人‧‧‧。 「すごい観察力ですね。探偵をなさっているんですか?」 「好厲害的觀察力。您是偵探嗎?」 「似たようなものだよ。ポーランドへようこそ、ミスター‧‧‧」 「類似的職業囉。歡迎光臨波蘭,先生‧‧‧」 「ミスターはよしてください。私は‧‧‧私の名前は、アーデルハイドです」 「請不要稱呼我先生。我是‧‧‧我的名字是亞德海特」 貴公子殿は右手を男に差し出した。名乗るとき、羞恥の響きが混じっていた。 貴公子右手伸向男子。自報姓名時,混著一點羞赧。 「ベヒシュタインだ」 「貝修坦」 男の手は岩のように鍛え上げられ、がっしりと頑丈そうで、そしてかすかに血と硝煙の においがした。 男子的手經過鍛鍊,十分結實,而且似乎還有血和硝煙的味道。 「自分の名前が好きではないらしいね」 「你好像不喜歡自己的名字呢」 ベヒシュタインは言った。にこりとも笑わないのだが、人を惹き付ける不思議な包容力 のある人物らしい。自分では気づいていないが、アーデルハイドは普段からは考えられ ないほど多弁になっていた。 貝修坦這樣說。雖然未帶著一點微笑,不過似乎是個很吸引人,擁有不可思議包容力的人 物。雖然他自己沒有注意到,但亞德海特現在多話到平常無法想像的程度。 「私の父は、娘が欲しかったらしいんです。私にはそのつもりで名前を用意していて、 生まれたのが男の私だと知らされても、そのままこの名前をつけてしまいました」 「我的父親好像本來想要女兒。所以本來就準備了這個名字,即使在我出生後知道我是男 的,也還是照樣用這個名字」 「名前を変えたいかね?」 「想改名字嗎?」 「‧‧‧いえ、今はもう慣れました。初対面の人は、よく妹と二人姉妹だと思い込んで しまいますよ。その説明をするのが面倒なだけです」 「‧‧‧不,我已經習慣了。初次見面的人常以為我跟妹妹是兩姊妹。只是說明起來麻煩 而已」 「同情するよ。私の娘‧‧‧娘といっても養女だが、彼女は名前がいささか男勝りでね 、だが本人は名前どころか、身なりに気をつかう気配もない。無愛想な子だよ」 「真令人同情啊。我的女兒‧‧‧其實是養女,她的名字也有點中性,但是本人並沒有發 現。是個沒什麼感情的孩子。」 「失礼ですが、ご家族の方は?」 「不好意思,您的家人呢?」 昼間でも零度を下回る12月のポーランド。ベヒシュタインの吐く白い息が、一瞬止ま るのがわかった。 12月的波蘭,即使是白天溫度也在零下。貝修坦所吐的氣息,一瞬間就停止了。 「妻と娘がいたよ。ずいぶん前に死んだ」 「我曾經有妻女。很久以前就死了」 「それは‧‧‧」 「這‧‧‧」 二人はしばらく、見事に石畳で舗装された古い街並みを眺めていた。何度も戦禍に見舞 われ、そのたびに蘇った不死鳥のような老いた都市。今ではその跡形もなく、数百年前 からずっと、この平和で退屈な風景が維持されてきたような気さえする。 兩人望著漂亮的石鋪古道一陣子。這是個經歷多次戰禍,但還是一次一次有如不死鳥般復 甦的古老都市。現在已無任何戰禍的痕跡,彷彿從數百年前就一直維持這樣和平又無趣的 風景。 「娘は‧‧‧亡くなった娘だが、ピアノが得意だった。よく聴かされたものだったよ」 「我女兒‧‧‧過世的女兒很會彈鋼琴。常常彈給我聽呢」 「どんな曲を?」 「是什麼曲子呢?」 「私は音楽に詳しくなくてね。確かショパンの、随分激しい曲で‧‧‧」 「我不太懂音樂。不過確定是蕭邦的曲子,很激昂的‧‧‧」 「革命のエチュード、ですか」 「是革命練習曲嗎」 「たぶんそれだ。おとなしい子だったが、どういうわけかその曲がお気に入りだった」 「大概是吧。她是個乖孩子,不知為何很喜歡那首曲子」 「この国の曲ですよ。ポーランドのね」 「是這個國家,波蘭的曲子喔。」 「ほう?」 「喔?」 「ショパンが、ロシアに占領された母国ポーランドを嘆いて作ったと言われています」 「據說是蕭邦為了感嘆被俄國占領的祖國波蘭而作的」 「そうだったのか‧‧‧」 「是這樣啊‧‧‧」 二人の前に路面電車が止まった。何人かの客が白い息を吐きながら電車から降り、何人 かの客が入れ替わって電車に乗った。そして二人をそこに残したまま、電車は再び石畳 の上を走り出し、走り去った。 有軌電車停在兩人面前。有幾個乘客一邊吐著白氣一邊下車,也有幾人搭上了電車。該處 又只剩他們兩人,電車再度在舖石路上駛去消失。 「私は妻と子の死を哀しんでいたが」 「雖然我為死去的妻女感到哀傷」 ベヒシュタインは深く長くため息をついた。 貝修坦長長嘆了一口氣。 「自分の家族について、そんな事も知らなかったのだな。娘の好きな曲のことさえ、今 、君に言われて初めて気がつく始末だ」 「不過關於我自己家庭的事,我連這樣的事也不知道。包括女兒喜歡的曲子,我也是你說 了之後才注意到的」 「‧‧‧」 「‧‧‧」 「死を悼む資格が、私にあったのかどうかも怪しいものだ。二人が生きていた時は、仕 事仕事で年に何日も家に居なかったというのに」 「為死哀悼的資格,我自己到底有沒有也很難說。她們兩人在世時,我因為工作的關係, 一年中也沒幾天在家」 「家族だからといって、家族のことを知っているとは限りませんよ」 「雖說是家庭,也不限於知道家人的一切喔」 アーデルハイドは凍てつく空を見上げた。冬空は氷のように張りつめて、どこまでも高 く蒼い。 亞德海特仰望凍結的天空。寒冬的天空像冰一樣,是深邃的青蒼。 「私は、父の事がいまだに理解できないし、好きでもありません。妹は私を兄として慕 ってくれているようですが、心の底では軽んじているようにも思える。私自身、血縁と いうしがらみから逃げることばかり考えている。そして結局逃げることもできなくて、 その場に立ちすくんでいるだけなんです」 「我到現在也無法理解有關父親的事,也不喜歡他。雖然妹妹似乎對我這哥哥仰慕,但我 覺得她似乎也打從心底輕蔑我。我自己,只想著如何從血緣的糾纏中逃離。但還是逃不掉 ,只能繼續戰戰兢兢地繼續待著而已」 「それは誰もが感じることだよ。若いうちはね」 「任何人年輕時都會有這種感覺。」 「そうでしょうか」 「是嗎」 足元に鳩が数羽降りてきた。わずかな陽だまりの中で、何かエサらしき物をついばみ、 再び飛び立って行った。遠くで教会の鐘が鳴りはじめた。 腳邊有幾隻鴿子降落。在微微幾絲陽光中,啄了幾下可能是飼料的東西之後,又再度飛走 了。遠方的教堂響起了鐘聲。 「ところで、この国には旅行かね?」 「話說回來,你是來這個國家旅行嗎?」 「いえ、『船』を造っているんです。もうすぐ完成するので、その受け取りに。この国 には父の知り合いのドックがあるんです」 「不是,有艘『船』正在打造。快要完成了,我是來拿貨的。這個國家有我父親認識的船 塢。」 「それは優雅なことだ。では、それに乗って国に帰るのかな」 「真是優雅呢。那麼,你要搭那艘船回國囉」 「そういうことになりますね」 「沒錯」 二人の前に、再び路面電車が滑り込んできた。 兩人面前又有一輛電車駛來。 「この先、7つ目の停車場で降りれば市庁舎前だ。そこまで出れば、どこに行くにして も解りやすい。では良い旅を、アーデルハイド君。会えて良かったよ」 「接下來第七個站牌就是市政廳門口了。既然你要到那邊,目的地是哪裡也很清楚了,那 祝你有個順利的旅程,亞德海特君。很高興認識你」 「こちらこそ」 「我也是」 「それから‧‧‧私の本当の名は、ベヒシュタインではない。仕事上の仮の名だ。この 国でのね。察しの通り少々危険な仕事をしている。気を悪くしないでくれ」 「還有‧‧‧我真正的名字不是貝修坦。這是在這個國家工作上用的假名。如你觀察的, 是個有點危險的工作。請不要見怪」 「‧‧‧いいんですか? 私にそんな事を喋っても」 「‧‧‧告訴我這種事沒關係嗎?」 「私の名はハイデルン。では本当にさようならだ」 「我的名字是海德倫。那這次真的要再見啦」 「ええ。お元気で」 「嗯。請保重」 アーデルハイドは路面電車に乗り込み、空席を見つけて座った。車窓からハイデルンを 探したが、もうどこにも彼の姿は見えなかった。 亞德海特搭上有軌電車,找了個空位坐下。雖然從車窗回頭看海德倫,但已經看不見他的 蹤跡了。 *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  * タンカー建造用の巨大なドックの中には、おそろしく巨大な風船のような物体が天井と 壁に届かんばかりに空間を圧迫していた。あちこちで立ち働いている作業員の姿が見え るが、すでに作業は概ね終了しているらしく、大型のクレーンや作業機械は片づけられ つつある。 在一個巨大的船塢中,有一個疑似巨大氣球的物體,大到已經碰到天花板,壓迫了空間。 到處可見各個作業員辛勤工作,不過作業基本上已經結束了,現在只是大型起重機和作業 機械在善後。 それは飛行船だった。全長400mを超える、史上最大の飛行船。改めて見上げるアー デルハイドの姿を、金髪の少女が目ざとく見つけた。 那是一艘飛船。全長超過400公尺,是使上最大的飛船。再度仰望的亞德海特,很快就 看到一個金髮少女。 「遅かったのですね、お兄様」 「哥哥,你來遲了」 「ああ。少し道に迷っていた。何も変わりはなかったか?ローズ」 「嗯。有點迷路了。有什麼變更嗎?蘿絲」 「道にお迷いになっていたなんて、お兄様らしくないですわ。連絡を入れてくだされば 、迎えの者を行かせましたのに」 「迷路啊,真不像哥哥的性格。你跟我聯絡的話,我就會派人去接你了說」 「時には迷子も楽しいものだと分かった」 「我知道有時候迷路也是蠻有趣的」 「そうですの?」 「是嗎?」 「面白い人物にも会えたしな」 「而且也可以碰到有趣的人」 「お兄様が他人に興味を持つなんて珍しいこと。どのような方なのです?」 「難得哥哥也會對別人有興趣。是怎樣的人啊?」 「詳しくは知らないが軍人というところかな。ひとかどの人物だと思ったが」 「詳情不曉得,只知道是軍人之類的。我想是個優秀的人物」 「?! 軍人なんて‧‧‧汚らわしい」 「?! 軍人‧‧‧真骯髒」 ローズは地虫に触れたかのように嫌悪感を露わにした 蘿絲露出一副被蟲子碰到的嫌惡表情 「そんな下賎の者とお話になるなんて!」 「你居然跟那麼下賤的人說話!」 「‧‧‧」 「‧‧‧」 「いいですかお兄様。私たち兄妹は、誇り高き家柄の者。そのような身分賤しき職業軍 人など、近付くことも許すべきではありません」 「哥哥你聽著。我們兄妹可是擁有高貴家世的人。那種下賤身份的職業軍人,連靠近也是 不被允許的」 妹は父に似ている、と、アーデルハイドはいつも思っていた。血に対するプライドが異 常に高く、自分たち以外の人間に価値を認めようとしない。そして、それを面と向かっ て否定する勇気が自分にはない。譲歩するのは常に自分であった。今回もまた。 亞德海特一直覺得妹妹和爸爸很像。對血緣的自尊異常的高,並且將自己以外的人視為沒 有價值。然而,自己沒有勇氣否定這些事。常常都是自己讓步,這次也是。 「もういい。私が悪かった」 「好了。是我不對」 「分かっていただければよろしいのです」 「知道就好」 さらに路面電車に乗って帰ったなどと口にすれば、この気位の高すぎる妹から何を説教 されるか知れたものではなかった。だからアーデルハイドは話題を変えた。 要是他再說是搭有軌電車來的話,這個高傲的妹妹不知道又要怎麼說教了。所以亞德海特 轉換了話題。 「ところで、もう運び込んだのか? 今日、ウィーンから届いたはずだろう」 「話說回來,已經運來了嗎? 從維也納運來,今天應該會到才對」 「ええ、もう運び込んで、調律もさせましたわ」 「嗯,已經運來了,調音也調好了」 ローズは瞬く間に機嫌を直し、うきうきと弾んだ口調に変わっている。 蘿絲的情緒一下子就好轉了,語氣也愉快了起來。 「雲の上で思い切りピアノを弾いてみたいと思っていましたの。もうすぐそれが実現で きますのね。お兄様、何かリクエストはありまして?」 「我也想試試盡情地在雲端上彈鋼琴。這件是快要實現囉。哥哥想點什麼曲子嗎?」 「そうだな‧‧‧」 「這樣啊‧‧‧」 曲名はとっくに決まっていたが、迷うポーズだけは見せた。それがアーデルハイドの習 慣かも知れなかった。 雖然曲名早已決定,但亞德海特還是擺了個迷惘的姿勢。也許這是他的習慣也不一定。 「‧‧‧ショパンがいい。曲は『革命のエチュード』だ。弾けるか?」 「‧‧‧蕭邦好了。曲名是『革命練習曲』。你會嗎?」 -- ※ 發信站: 批踢踢實業坊(ptt.cc) ◆ From: 36.230.31.217

11/26 01:01, , 1F
其實看來海迪輪跟亞德海特關係不壞耶!
11/26 01:01, 1F

11/26 01:47, , 2F
推,海迪倫跟亞德設定上是朋友
11/26 01:47, 2F

11/26 04:01, , 3F
推 看起來亞德海特本性還不錯?倒是妹妹遺傳到惡的那部份較多
11/26 04:01, 3F

11/26 09:36, , 4F
「ええ、もう運び込んで、調律もさせましたわ」<-沒翻到
11/26 09:36, 4F
已補

11/26 09:36, , 5F
是說運來了音也調好了嗎
11/26 09:36, 5F

11/26 12:38, , 6F
有些錯別字:取明早已決定 謎路
11/26 12:38, 6F
已改 其實我比較想知道,蕾歐娜這個名字哪裡中性?XD

11/26 18:01, , 7F
羅德斯戰記有個王子叫雷歐那
11/26 18:01, 7F

11/26 18:05, , 8F
跑回精華區看了海迪倫的人設 所以在妻女被路卡爾殺掉之前
11/26 18:05, 8F

11/26 18:05, , 9F
亞德海特就已經是海迪倫的朋友了...?
11/26 18:05, 9F

11/26 18:06, , 10F
不知道亞德海特如果知道老爸殺別人全家會不會崩潰 冏
11/26 18:06, 10F

11/26 18:21, , 11F
我還是保留耶 老路有像蘿絲那麼重視血統嗎?
11/26 18:21, 11F

11/26 18:21, , 12F
謝M大回答
11/26 18:21, 12F

11/26 18:59, , 13F
哈 傳說中跟卡修不相上下的雷歐納王子 可惜都沒看他發威
11/26 18:59, 13F
又改了幾句昨天看錯的 ※ 編輯: Eriol 來自: 36.230.27.139 (12/02 02:28)
文章代碼(AID): #1Giaip4I (KOF)